バイナリーオプションは相場の値動きを予想(上がるか下がるか)しながら投資をおこなう金融商品です。
そんなバイナリーオプションにはプロと名乗るトレーダーが数多くいることをご存知ですか?
しかし彼ら全員が詐欺師、もしくは詐欺まがいといっても過言ではありません。
やや過激な言葉を選びましたが、このようにいえるのは深い根拠があるからなんです。
今回の記事では、プロトレーダーの定義を説明した上で、自称プロと名乗るトレーダーがいかに怪しいのかを詳しく解説。
また自称プロトレーダーがどのような詐欺行為をおこなっているのか?この点について紐解いていきたいと思います。
今回の記事をご覧いただければ、バイナリーオプションでプロと名乗るトレーダーの危険性について理解できるでしょう。
機関投資家とは?投資におけるプロトレーダーの定義を理解しよう
本当のプロトレーダーと自称プロトレーダーでは、機関投資家か否か、分散して投資をおこなっているのか、この2点で大きく異なります。
プロトレーダーの多くは機関投資家という存在です。
機関投資家とは、個人レベルから見たら想像もできないほどの大金(天文学的な数字)で売買をおこなう投資家のことを指します。
取り扱う金額の大きさから損害保険会社や生命保険会社といった保険会社、信託銀行や普通銀行、信用金庫といった金融機関がトレーダーの集団を抱えていることがほとんど。
日本では年金基金や共済組合などもこれに含まれ、農協や漁協系の資金を一手に集めて運用する農林中央金庫は、日本最大の機関投資家として知られています。
ちなみに政府も機関投資家として活動しており、代表的なものとして日本政策金融公庫、国際協力銀行、日本政策投資銀行、商工組合中央金庫などが挙げられます。
少し話がズレてしまいましたが、投資におけるプロトレーダーとは、基本的にこのような機関投資家のことをいうのです。
投資の知識がある人なら知っている有名トレーダー、ウォーレン・バフェットは個人投資家に分類されるのでは?という意見があることをご存知ですか?
しかし彼は機関投資家として見なされています。
彼はバークシャー・ハサウェイという投資専門の企業を経営し、その下で多くのトレーダーが活躍しているんですよ。
この実績から機関投資家と見なされているんですね。
このような機関投資家こそ本物のプロトレーダー。
しかし自称プロトレーダーは個人で活動していることがほとんど。
まず組織(プロ)、個人(自称プロ)という違いがあることを覚えておいてください。
投資方法もプロトレーダーと自称プロトレーダーでは大きく違います。
プロトレーダーは分散投資をおこない、自称プロトレーダーは一点集中型の投資をおこなう傾向にあります。
プロトレーダーはその実力から多くの資産家のお金を預かって投資をおこなっているので、他人のお金を安易に紙くずにするようなハイリスクな投資は絶対にしません。
もし資産を増やす目的で投資するのであれば、万が一に備え、損失分をフォローするような別の投資を必ずおこないます。
それが分散投資です。
例えば為替相場だけでなく、株式や債券、他にも企業に対する直接的な投資をおこなうことだってあるんです。
多方面から投資をおこなうことで、投資における損失が発生してしまった場合でも別の投資でしっかりフォローし、資産のトータルで運用をおこなっているんですよ。
そのため年利10%後半の利率と常に安定した利益を積み重ねているんです。
一見、自称プロトレーダーの運用益に比べると利率が非常に低いように思われますが、動かす金額が大きいので利益額は天文学的数字。
このような分散投資をおこなうプロトレーダーに対し、自称プロトレーダー、特にバイナリーオプションでの自称プロトレーダーは分散投資とは逆をおこないます。
バイナリーオプションでのみ取引をおこない、さらに二者択一で損失を被った場合のリスクヘッジをまったく考えていません。
つまり分散どころか投資先を余計に絞っているのです。
プロトレーダーと自称プロトレーダーの違いについて掴めましたかね?
組織で活動しながら分散投資をおこなう、これがプロトレーダーの定義といえるのではないでしょうか?
ちなみに組織に所属しているトレーダーがプロと呼ばれる条件として、「個人成績が1年以上、少なくともトレードだけで生活し続けられるほどの利益を上げる、プラス運用益を上げる」ことです。
また長期的に利益を積み重ねることができるスキルを求められる場合も少なくありません。
これは非常に厳しい条件であり、長期にわたってプロトレーダーとして活躍できる機関投資家のトレーダーは非常に少ないのが現状です。
あくまで専業トレーダー!バイナリーオプションにプロトレーダーは存在しない
自称プロトレーダーはあくまで専業トレーダー。
そしてバイナリーオプションにプロトレーダーは存在しません。
その理由は簡単。
安定した長期的利益を上げることができないからです。
自称プロトレーダーは短期的に利益を上げることはできるものの、長期にわたって利益を上げることができない場合がほとんど。
そのため短期的に利益を上げた瞬間だけを大々的にアピールし、多くのアマチュアトレーダーの注目を集めることによって、別の方面(後述)で収入を上げています。
そもそも自称プロトレーダーは、1年未満あるいはごく短期間で一気に利益を上げたシーンしか開示していません。
また先ほど触れたとおり、真のプロトレーダーは分散投資など大きな損失を回避することに徹し長期的な利益を狙います。
プロトレーダーが一つの分野でのみ投資をおこなうなんてことは本当に稀。
一方、自称プロトレーダーはプロトレーダーの考えなんて持ち合わせていません。
あくまで専業トレーダー。
今回の場合でいえば、バイナリーオプションという投資先にのみ投資をおこない、リスクヘッジを考えていないからです。
短期的にはプロトレーダーを凌駕する利益をたたき出すこともありますが、長期的に見れば決してそんな訳ではありません。
長期的に安定した運用益を出す分散投資とは異なり、バイナリーオプションは選択を誤ると資産の大部分を失う致命的なリスクを含んだ投資です。
これほどリスクの高い投資は基本的にプロトレーダーがおこなうことはありません。
実際、機関投資家がバイナリーオプションで利益を得ているところはゼロ。
数分単位で資産を一気に失う可能性のあるバイナリーオプションはリスク管理が困難ですからね。
リスク管理を徹底することもプロトレーダーの条件なんですよ。
仮にバイナリーオプションでエントリーした際、ポジションを複数抱えた状態を分散投資として考えるトレーダーがいたとしたなら、それだけではリスク管理が不十分ですし、そもそもバイナリーオプションにだけ頼っていることからプロとはいえません。
バイナリーオプションで取引をおこないながらプロと名乗っている人は、専業トレーダーであってプロトレーダーではありません。
このような意味合いから、バイナリーオプションだけをおこなっているトレーダーにはプロがいないといっても過言ではないのです。
プロと名乗る人のバイナリー攻略動画は超危険!YouTubeに蔓延る詐欺動画の真意とは?
プロと名乗るトレーダーがYouTubeで攻略動画を公開し、利益を得るまでの内容を配信していることはご存知ですよね?
ですが気をつけてください。
この攻略動画こそ危険な罠。
「プロと名乗っているトレーダーが動画を配信しているんだから問題ないじゃないか!」という意見もありますが、これは詐欺行為が蔓延しているだけなのです。
その理由として、関連商品の高額販売、コンサル料金をぼったくるといった不正収益を目論んでいることが挙げられます。
逆にいえば、本業であるバイナリーオプションで長期的な利益が上げられていないとも読み取れますね。
ようはバイナリーオプションで儲けることができず、このような別の切り口で利益を上げようとしている証拠ともいえます。
そんなバイナリーオプションの詐欺動画の真意についてより詳しく解説していきましょう。
サインツールやシステムを高額販売するため
自称プロトレーダーの動画配信は、サインツールやサインシステムを高額販売することに重点を置いています。
先ほども紹介しましたが、アマチュアのトレーダーは短期的に儲けることはできるものの、長期的に儲けれない人が多いです。
自称プロトレーダーも基本はそういった存在。
そもそもいくら儲かっているように見せても実際は儲かっていないのが現実です。
トレードの損失分を自作や外注のサインツール、システム販売で埋め合わそうとし、結果としてバイナリーオプションの攻略動画で広告を打っているんです。
目の前に大儲けできるチャンスがあるという非現実的な話をPRした方が自分の商品が売れますからね。
そのためバイナリーオプションの攻略動画の内容も、儲けるために必要なサインツール、システムの紹介という売り込み内容のものがほとんど。
自称プロトレーダーが年利換算100%を超える動画を数多く公開している理由は、このような商品の売り込みを考えているからなんです。
バイナリーオプションで長期的な利益を上げる場合、極端な勝ちを狙わず小さな利益を積み重ねることが大切。
ちなみにバイナリーオプションの攻略動画は、運用実績がまぐれのような詐欺動画のパターンがほとんど。
なぜなら短期間での実績ばかり公開しているからです。
このような動画を作るために何パターンかのシステムやサインツ―ルを用意し、短期間で稼いだシステムだけを動画として取り上げています。
あたかも自分がバイナリーオプションで大儲けしているように見せかけ何倍もの価値で売りつける。
まさに詐欺。
また短期間で利益を得ていたとしても、そのあとに消えていることも珍しくありません。
一か月、二か月だけ爆発的に儲かった期間をフォーカスし、年利「換算」という形で引きのばした結果をPRしているというのが詐欺動画の真相だと理解しましょう。
高額なコンサル料をぼったくるため
高額なコンサル料をぼったくるための手段として、バイナリーオプションの攻略動画を公開しているケースもあります。
手口は先ほどの攻略動画と同じ手法で公開していることが多いです。
裁量取引(自分の判断で取引をおこなう手動取引)を多数おこない、うまくいっているものだけを公開。
取引を公開している人物が優れた判断でトレードをおこなっているように見せることができますからね。
取引実績を見せながらコンサルの案内をおこない、コンサル希望者を募って高額なコンサル料を徴収するという流れです。
ここまでは比較的よくある話ですが、悪質なものになるとグループコンサルという手段で何度もお金を徴収されます。
そして突然姿を消すのです。
こういった状況になってはじめて動画の内容がウソであり、コンサルという形で詐欺に遭ったと気づきます。
このようにお金を持ち逃げされるような形での詐欺もあるということを覚えておいてください。
返金希望者はすぐ動け!バイナリーオプションで詐欺トレーダーに騙されたときの対処法
残念ながら既にバイナリーオプションで詐欺トレーダーに騙された人もいることでしょう。
そんな人たちに向け、ここからは詐欺被害に遭った場合の対処法を解説していきたいと思います。
主な内容は以下の4つ。
- 詐欺の証拠を集める
- 振り込め詐欺救済法を利用する
- 支払いがカード決済ならすぐに対処する
- 弁護士に相談する
まず念頭に置くべきなのは、死者やけが人が出たわけではないため警察もすぐには動いてくれないということです。
むしろお金のやり取りに関しては干渉しないこともあります。
警察に頼るのではなく、このような行動で詐欺トレーダーの被害を最小限に食い止めましょう。
詐欺だという証拠をできるだけ多く集める
詐欺の弱点は証拠です。
証拠さえ集めてしまえば警察にも動いてもらえますし、裁判でも十分勝つことができます。
厳密には集めるべき証拠としてのポイントもあるのですが、取捨選択しているうちに証拠が少なくなってしまうこともあるため、できる限り数を集めましょう。
お金のやり取りの記録(領収書や振り込みの履歴、クレジットカード決済の履歴など)、メールやLINEでのやり取り、会場の写真、可能であれば講師の動画ややり取りの録音などもあれば証拠にします。
ただし詐欺トレーダーもなるべく証拠を握られないよう工夫しています。
そのためこちらは数で勝負。
数を集めることで、集めた証拠の中から決定的な証拠だってきっと見つかるはず。
もしバイナリーオプションのコンサルを受けようと思っているのなら、なんでも記録(パンフレットやホームページ、メールのやり取り、契約書類や各種契約のための資料など)しておくことをオススメします。
ちなみに詐欺トレーダーを訴えたとしても、贈与などと主張され負けるケースがあります。
ですが泣き寝入りを防ぐためには数多くの証拠を集めるしかないということを覚えておいてください。
振り込め詐欺救済法を利用する
振り込め詐欺救済法を利用する手もあります。
これは詐欺トレーダーの口座から支払った分のお金を取り返す手段の一つ。
例えば10万円を取り返したい場合、「本人確認書類」、「振り込みの事実を確認できる資料(パンフレットなどのコンサルの証拠)」を用意して振込先の金融機関へ出向きます。
その後、「申請書」に詳細を記入して詐欺トレーダーの口座からお金を取り返すというものです。
ただし振り込め詐欺救済法は、返金してもらえるまで非常に時間がかかります。
平均90日以上かかるともいわれており、忘れた頃に戻ってくることもよくあります。
そもそもこの法律自体、かなりイレギュラーに口座操作をするため、手続きそのものを慎重におこなわなければならないのが現状。
また詐欺トレーダーの口座にお金が入っていなければ返還されません。
すでに半分引き出されていた場合は半分しか戻ってこないのです。
しかも審査の結果次第では適応外となることすらあります。
このような弱点もあるため、期待せずに手続きをおこないましょう。
カード会社に相談してすぐに対処する
クレジットカードでコンサル料を支払ってしまったのなら、できるだけ早くカード会社に連絡しましょう。
詐欺トレーダーにお金が振り込まれる前に決済そのものを止めてしまえば、お金が返金される可能性が非常に高いからです。
ただし時間が経過してからカード会社に相談すると対応してもらえないケースもありますし、詐欺トレーダー側で既にカード会社と契約を解除していることすらあります。
カード決済の場合はとにかく早さが一番のポイントだと認識してください。
お金に余裕があるなら弁護士に相談するのも一つ
一番確実なのは弁護士に依頼することです。
もちろんお金はかかりますが、確実に詐欺トレーダーと争うことができます。
あらゆる法的な手段を心得ていますからしっかり対応してくれるでしょう。
ただし弁護士にも専門分野があります。
仮に離婚専門の弁護士にバイナリーオプションの詐欺被害に関する相談をしても、期待するような十分な対応はしてもらえません。
そのため詐欺を得意とする弁護士や、消費者問題に詳しい弁護士に相談するのがオススメです。
また集団訴訟が起こっているのであれば、それに便乗するのも一つの手段といえるのではないでしょうか。
その分野に精通している弁護士を探す点だけ気をつければ、一番確実に詐欺トレーダーを追い詰めることができると覚えておいてください。
バイナリーで勝ちたいなら動画で勉強するのも一つ!ただし詐欺師には注意しよう
バイナリーオプションで勝ちたいなら動画で勉強するのも選択肢の一つ。
テキストで学ぶよりもライブ感があり、視覚的にも理解しやすいですからね。
難解な言葉が出てきても一時停止をしてネットで調べればすぐに理解できます。
いずれにしても動画を利用した勉強方法は、バイナリーオプションを学ぶには最適な教材です。
ただしバイナリーオプションの攻略法を解説した動画の中には、詐欺まがいの動画も数多く含まれていることを忘れないでください。
動画の内容を信じていわれるがままに行動し、サインツールやシステムを購入、またコンサルに頼ってしまうと、後から大変な目に遭ってしまいます。
その動画はバイナリーオプションの攻略に本当に役立つのか、それとも営業目的の釣り動画なのか、この点はしっかり見極めましょう。
詐欺に遭ってしまうと解決には時間がかかりますし、何より大切なお金がなくなってしまいます。
余計な損失を避けるためにも、自称プロトレーダーのバイナリーオプション攻略動画には十分注意しましょう。