バイナリーオプションの取引期間は、エントリーしてから判定時間に到達するまでの間と決まっています。
判定時間に到達した時点であらかじめ予測していた方向に動いているかどうかで勝敗が決まりますが、レートの動きに対し時間の経過毎に一喜一憂してしまい、心を乱してしまうことはないでしょうか。
さっきまで利益だったのに最終段階で損失に変わってしまったと言う展開はよくあることですが、もし、チャートの動きを見ながらこれ以上利益方向に動くことは難しいと判断したときや、損失を限定したいときであれば「転売機能」を使うと便利です。
業者によっては転売機能が使えないこともありますが、転売機能とはどのような機能なのか、また、どのような展開で使用すれば良いのか詳しく解説いたします。
バイナリーオプションの転売機能とは?
バイナリーオプションの取引には時間設定があります。
判定時間に到達した時点で自動的に勝敗が判定されるルールとなっていますが、判定時間に到達する前に手動で決済ができるシステムを転売機能と言います。
転売機能が使えない場合、エントリー後、レートがこれ以上伸びることは期待できない上に損失に転換する可能性が高いと判断した場合でも判定時間まで待たなければいけません。
転売機能が使える業者であれば、チャートの動きを察知し、損失を回避することが可能となります。
ただし、転売機能を使った場合、ペイアウト率が下がるため、勝った場合の払い戻し額も通常よりも安くなり、負けた場合は損失額が少なくなります。
もし、転売機能を利用した後、最初の思惑通り勝つことができていた場合には損した気持ちになることもありますが、損失方向へ転換して負けを回避できたときはチャートを見る目が正しかったと言うことになります。
どちらのケースもよくあることですが、勝率を求められるバイナリーオプションでは、相場の動向次第で転売機能を利用することは損失回避の大きな武器となります。
確信的にチャート上で頭打ちのサインが出たと判断した場合は早めの撤退が必要です。
転売機能を利用したほうが良いチャートパターンとは?
バイナリーオプション取引で転売機能を利用した方が良いのは、エントリー後に反転となる可能性が高いチャートパターンが現れたときです。
ただし、パターンが現れたとしてもエントリーした位置との関係や上位足とのトレンド方向などを見ながら、損失に変わるまで反転していくのか一時的なものなのかを判断する必要があります。
例えば、エントリーポイントと極めて近い位置で反転の兆候があれば、逆転して損失となる可能性も高くなります。
また、上位足のトレンドと逆方向でエントリーした場合、より大きな時間軸の流れに乗りやすい相場の性質から、上位足のトレンドが再開すると言うことも考えられるため、残り時間が多いときには逆転して損失に変わる可能性が考えられます。
それらを判断するにはチャート分析を基に環境をしっかりと認識した上で総合的に検討し転売を利用します。
この考え方はエントリーのサインとしても使えますので、多くのトレーダーが注目するチャートパターンは覚えておいて損はありません。
どのようなパターンがあるのか見てみましょう。
Wトップ、Wボトム
WトップとはアルファベットのMの形状をつくるチャートパターンで、高値を切り上げることができなかったとして比較的強い抵抗帯があると判断することができます。
Wボトムはその逆でアルファベットのWの形状を作ります。
もし、過去に何度か止められているようなところであった場合はWトップ、Wボトムが現れた時点でポジションを解消することを検討した方が良いかもしれません。
ただし、強い抵抗帯であった場合や、超えていったときには逆に大きく伸びていくことがあり、どちらにしても反応が起こりやすい位置となります。
過去によく止められている場合は水平線を引いて意識しておくことが重要です。
高値切り下げ、安値切り上げ
Wトップ、Wボトムと同様に高値や安値を更新できなかったとして、弱含んできたと判断します。
逆方向に更新していくようなら逆方向にトレンドが発生したと判断したほうが良い場合もあります。
上位足との関係性を見ながら反転の可能性が高いと判断するならポジション解消が良いかもしれません。
真ん中が高い3つの山を形成するヘッドアンドショルダーや、その逆となる逆ヘッドアンドショルダーも強い反転パターンとなります。
ボリンジャーバンド±2、±3σタッチ
ボリンジャーバンドの±2、±3σバンドにタッチした場合は行き過ぎとして一旦の反発があるかもしれません。
ただし、バンドに沿ってロウソク足が動くバンドウォークの現象が見られるケースでは、強いトレンドが発生しているため、まだまだ伸びていく可能性があります。
レンジ相場においてのバンドタッチであれば反転のきっかけとなることもあり、エントリー価格との位置関係を見ながら判断するのも良いでしょう。
オシレーター系の売買指数
相場の買われ過ぎや売られ過ぎなど、行き過ぎを判断し反転の可能性があるサインとして使われることが多いのがオシレーター系指標です。
ストキャスティクスやRSI、RCIなどですが、その指標ごとにここまで到達したら行き過ぎと判断すると言った基準がありますので興味のある方は調べてみて下さい。
ただし、こちらも強いトレンドが発生しているケースではあまり機能しないことが特徴です。
また、オシレーター系指標で効果的とされるダイバージェンスという現象があります。
逆行現象とも呼ばれ、指標とレートの動きが逆に動く状態を指し、トレンド終焉のサインとなるケースがあります。
まとめ
バイナリーオプション取引で上手く使えば非常に効果の高い転売機能ですが、考え無しに行うのではなく、チャート上で確信的に逆転するパターンが見られた場合のみ使用することが重要です。
株やFXにおいてトータルで勝つためにはリスクリワードを意識したトレードが必須となりますが、損失を恐れるがあまり早めに利確してしまうことを「チキン利食い」と称して推奨される行動とは言えません。
利益が出ている状態で少しでも利益が減少すると、これ以上減ることを恐れ、焦って利確してしまうと言う行動ですが、常態化してしまうと利益を取るべきときに取れなくなってしまいます。
むしろリスクを恐れることなく限定しながら許容することが重要だと言うことを理解する必要があるのです。
その反面「利食い千人力」と言う相場の格言にある通り、損失を繰り返しメンタルのバランスを崩すよりも利食いして終わらせるほうが良いという一面もあります。
一定のチャートパターンが出現した場合のみ転売し、それ以外は我慢するという転売ルールを設けるなど、バランスを考えた取引コントロールが重要になることを覚えておきましょう。