一目均衡表とは、日本人である一目山人によって考案されたテクニカル指標のことですが、海外でもその有効性は広く知られています。
大きな特徴として、時間の概念を用いることで相場が動き出すタイミングを予想することができるという点です。
その名の通り、一目で相場状況を判断することに適している一目均衡表を、どのように使ってトレードに生かしていけば良いのか紹介したいと思います。
一目均衡表を構成する線とは?
一目均衡表はいくつかの線によって構成されていますが、それぞれの特徴や意味について解説していきます。
基準線
基準線とは、直近のロウソク足26本分に当たる高値と安値の中間値を示す線ですが、ゆるやかに動くことが特徴で、相場の均衡を探るという点では基準線を見ることでよくわかります。
上昇と下降のどちらが優勢にあるのかということを基準線の傾きとロウソク足との位置関係で判断することができますが、基準線が上向きに動いている状態でロウソク足が基準線よりも上側に位置していれば上昇が優勢で、逆であれば下降が優勢です。
一度大きく動いた後に基準線まで戻ってきた場合は、中間点を採用しているということから半値戻しということになり、絶好の押し目・戻り目での仕掛けポイントにもなります。
押し目・戻り目になることなく基準線を越えていった場合、トレンド転換の初動になる可能性として考えることができます。
転換線
転換線とは、直近のロウソク足9本分に当たる高値と安値の中間値を示す線ですが、基準線が中期的な方向を示す線であることに対し転換線は短期的な方向を示す線となります。
考え方は基準線と同様ですが、より早く動き出しますので転換の動きを察知するきっかけとすることができます。
転換線もまた、トレンド時の押し目・戻り目のターゲットとしては有効に機能します。
先行スパン1・2
先行スパン1とは基準線と転換線の中間値をロウソク足26本分に相当する期間だけ未来へ先行させて描画している線となります。
先行スパン2は直近のロウソク足52本分に当たる高値と安値の中間値をロウソク足26本分に相当する期間だけ未来へ先行させて描画している線となります。
未来へと移動させて表示しているという点がポイントで、チャート上で現在の時間よりも先に表示されている先行スパンが抵抗線として機能するため、将来において反転などの反応があるかもしれない位置として意識することができるのです。
先行スパン1と2に挟まれた部分は一般的に雲と呼ばれ、多くのトレーダーが注目するところでもあります。
雲の部分は抵抗帯として捉えられており、雲に近づくと反発しやすい傾向にあり、雲の中に入るともみやすく、雲を抜けるとトレンドが出やすいといった性質が見られます。
また、雲の厚みは相場の強さを示し、ねじれはトレンド転換を示唆するサインといわれています。
遅行スパン
遅行スパンとは、現在のロウソク足の終値を過去に26本分遡って描画した線となります。
遅行スパンがロウソク足よりも上側に位置している状態では上昇が優位で、逆であれば下降が優位と判断します。
遅行スパンも過去に移動してある点がポイントで、時間を意識した値動きの予測が可能となります。
遅行スパンとロウソク足が接触しそうな位置から、値が反応する時間帯として予測することができるためト、レンドの終焉や転換のタイミングとして見極めることができるのです。
強いトレンドのサイン!三役好転、三役逆転とは?
一目均衡表においてはレンド状態の発生を見極めるための最重要ポイントが三役好転と三役逆転で、条件が整ったときの相場は非常に勢いのある状態だと判断することができます。
三役好転の条件
・転換線が基準線を上抜く
・遅行スパンがロウソク足を上抜く
・ロウソク足が雲を上抜く
三役逆転の条件
・転換線が基準線を下抜く
・遅行スパンがロウソク足を下抜く
・ロウソク足が雲を下抜く
三役好転、三役逆転の攻略法
三役好転や三役逆転が現れた場合には、強いトレンド状態のサインとして捉えることができるので、継続する限り積極的な仕掛けをする場面といえます。
流れに逆らわない順張りトレードで攻略しましょう。
一目均衡表を使ったトレード方法
一目均衡表は相場の状況を把握するうえで非常に優れたテクニカル指標だということは間違いありません。
相場における現状位置を探る点において明確に判断ができる効果的なツールです。
トレンドフォローを主な手法としているトレーダーにとって、トレンドの判定はまさに生命線となりますが、一目均衡表を利用することで素早い判断が可能となります。
実際のトレードに一目均衡表をどのように生かしていくのかということですが、いくつかの利用法がありますのでご紹介いたします。
売買サインとして利用する
一目均衡表には売買のサインとして考えることのできるポイントがいくつか存在します。
・遅行スパンが雲を上抜けしたら買い、下抜けしたら売り
・ロウソク足が雲を上抜けしたら買い、下抜けしたら売り
他にもサインとして考えられるものはありますが、単純にこれだけで勝てるトレードが実現するということは難しいかもしれません。
もちろん、このポイントをきっかけとして大きく動き出すということはありますので、判断材料のひとつとして段階的に見ていくことは効果的であるでしょう。
マルチタイム分析をしてトレードする
トレードというものは、波をじっくりと待ち構えて、やって来た波には躊躇なく乗るということが重要です。
一目均衡表でトレンド状態であることが確認できたら、下位足に落としこんで押し目・戻り目のタイミングを計るという戦略です。
複数の時間軸を利用することは相場環境を認識するためには必ず行うべき作業のひとつで、怠ると勝率に大きくひびくことになりかねません。
例えば、一目均衡表で最大のトレンドサインである三役好転と三役逆転で判断します。
1時間足で三役好転・三役逆転の状態であると確認できたら、5分足で押し目・戻り目のタイミングを計るために三役好転・三役逆転が出現するのを待ち構えます。
1時間足と5分足で三役好転・三役逆転の同時発生ということで、非常に強いサインとして仕掛けることができます。
また、三役好転や三役逆転ではなく、ロウソク足の雲抜けや遅行スパンの雲抜けをトレンド発生のサインとして見ることも戦略のひとつとなりますので検証してみることも良いでしょう。
一目均衡表に他のテクニカル指標とマルチタイムで組み合わせる
一目均衡表でトレンド状態を把握し、売買には他のテクニカル指標を使ってタイミングを計るということですが、トレードチャンスもバリエーションも大幅に増えてくることになります。
どのテクニカル指標を使用するかについては、使い慣れているものや使いやすいもので検証を重ね、自信と確証を得たものでトレードすることをおすすめいたします。
移動平均線を利用したグランビルの法則を使っても良いですし、ダウ理論を使っても効果的でしょう。
例えば、1時間足の一目均衡表でトレンド状態であることが確認できたら、5分足に落とし込んで押し目・戻り目を待ちます。
移動平均線がトレンド方向へと動いている状態で、ロウソク足が移動平均線付近まで一旦戻し、その後反転の兆しを見極めてエントリーします。
その他、過去に抵抗となった位置に水平線を引いて、ラインを超えて戻ってきたところでエントリーする押し目買い・戻り売りなども非常に効果的です。
まとめ
一目均衡表の使い方について解説してまいりましたが、参考になりましたでしょうか。
相場の環境を判断するためのツールとしては非常に優れており、トレードを行うために必要な分析に利用するとかなり効果的であることがわかります。
日本人がつくった世界に誇るテクニカル指標である一目均衡表をぜひご活用ください。